昨日は、関東と北陸地方などで【春一番】が
吹いたようですね。
【春一番】と聞くと、何だかポカポカ陽気を
連想する方が多いのではないでしょうか?
しかし、実はその逆で、この【春一番】という
言葉は、悲しむべき海難事故からの教訓で、
人々に注意を促す為に生まれた「気象用語」
なのです。
なぜ、僕が【春一番】に詳しいかというと、
その悲しむべき海難事故が、生まれ故郷の
壱岐(長崎県)で起きた事故であり、僕は小さい
頃から その事故の恐ろしさを何度も聞かされて
きたからです。
【春一番】の語源として、Wikipediaには
こう書かれています。
気象庁は「春一番」の語源について、石川県能登地方や三重県志摩地方以西で昔から用いられたという例を挙げ、諸説があるとしつつ、安政6年2月13日(1859年3月17日)、長崎県壱岐郡郷ノ浦町(現・壱岐市)の漁師が出漁中、おりからの強風によって船が転覆し、53人の死者を出して以降、漁師らがこの強い南風を「春一」または「春一番」と呼ぶようになったと紹介している。一方、長崎県では、この事件以前から郷ノ浦町で「春一」と呼ばれていたものが、事件をきっかけに広く知られるようになったとしている。この故事により、1987年に郷ノ浦港近くの元居公園内に「春一番の塔」が建てられている。
民俗学者の宮本常一は研究のため郷ノ浦町を訪れてこの「春一番」をいう語を採集し、1959年に壱岐で用いられている語として『俳句歳時記』で紹介した。これをきっかけに、「春一番」は新聞などで使われるようになり、一般に広まったとされる。つまり、郷ノ浦町で使われていた「春一」または「春一番」は、この語の初出であるかどうかはともかく、現在広く用いられている「春一番」という語の直接の源であるということになる。